第63条 透明性の確保
(1)この協定が対象とする事項(知的所有権の取得可能性,範囲,取得,行使及び濫用の防止)に関し加盟国が実施する法令,最終的な司法上の決定及び一般に適用される行政上の決定は,各国政府及び権利者が知ることができるような方法により当該加盟国の国語で公表し又は,公表が実際的でない場合には,公に利用可能なものとする。各加盟国の政府又は政府機関の間において有効なこの協定が対象とする事項に関する合意も公表する。
(2)加盟国は,この協定の実施について貿易関連知的所有権理事会が検討することに資するために(1)に規定する法令を同理事会に通報する。同理事会は,その義務の履行について加盟国の負担を最小とするよう努めるものとし,また,当該法令についての共通の登録制度の設立に関するWIPOとの協議が成功する場合には,当該法令を同理事会に直接通報する義務を免除することを決定することができる。この関連において,同理事会は,1967年のパリ条約第6条の3に基づくこの協定上の義務に従って行われる通知について,必要となる措置を検討する。
(3)各加盟国は,他の加盟国からの書面による要請に応じて,(1)に規定する種類の情報を提供することができるように準備する。加盟国は,知的所有権の分野に関する特定の司法上若しくは行政上の決定又は2国間協定がこの協定に基づく自国の権利に影響を及ぼすと信じるに足りる理由を有する場合には,当該特定の司法上若しくは行政上の決定若しくは2国間協定を利用すること又はこれらの十分詳細な情報を得ることを書面により要請することができる。
(4)(1),(2)及び(3)の規定は,加盟国に対し,法令の実施を妨げる等公共の利益に反し又は公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報の開示を要求するものではない。… 全文
第五十一条
技術援助
(1) 総会は、技術援助委員会(この条において「委員会」という。)を設置する。
(2)(a) 委員会の構成国は、開発途上にある国が代表されるように妥当な考慮を払つた上で、締約国の中から選出する。
(b) 事務局長は、その発意又は委員会の要請により、開発途上にある国に対する技術援助に関与する政府間機関の代表者が委員会の作業に参加するよう招請する。
(3)(a) 委員会は、開発途上にある締約国に対し各国別の又は広域的な特許制度の発展を目的として供与される技術援助を組織し及び監督することを任務とする。
(b) 技術援助は、特に、専門家の養成及び派遣並びに教習用及び実務用の設備の供与を含むものとする。
(4) 国際事務局は、この条の規定に基づく事業計画のための資金を調達することを目的として、一方において国際金融機関及び政府間機関、特に、国際連合、国際連合の諸機関及び技術援助に関与する国際連合の専門機関と、他方において技術援助を受ける国の政府と取決めを締結するよう努める。
(5) この条の規定の実施に関する細目は、総会の決定により及び総会が設置することのある作業部会が総会の定める範囲内で行う決定によつて定める。… 全文
第十五条
国際調査
(1) 各国際出願は、国際調査の対象とする。
(2) 国際調査は、関連のある先行技術を発見することを目的とする。
(3) 国際調査は、明細書及び図面に妥当な考慮を払つた上で、請求の範囲に基づいて行う。
(4) 次条に規定する国際調査機関は、可能な限り多くの関連のある先行技術を発見するよう努めるものとし、いかなる場合にも、規則に定める資料を調査する。
(5)(a) 締約国の国内法令が認める場合には、当該締約国の国内官庁又は当該締約国のために行動する国内官庁に国内出願をした出願人は、国内法令に定める条件に従い、国際調査に類する調査(「国際型調査」)がその国内出願について行われることを請求することができる。
(b) 締約国の国内法令が認める場合には、当該締約国の国内官庁又は当該締約国のために行動する国内官庁は、当該国内官庁にされた国内出願を国際型調査に付することができる。
(c) 国際型調査は、次条に規定する国際調査機関であつて国内出願が国際出願として(a)及び(b)に規定する国内官庁にされたとしたならば国際調査を管轄したであろうとされるものが行う。国際調査機関が処理することができないと認める言語で国内出願がされている場合には、国際型調査は、国際出願のための所定の言語であつて当該国際調査機関が国際出願の言語として認めることを約束しているもので出願人が作成した翻訳文に基づいて行う。国内出願及び必要な翻訳文は、国際出願のための所定の形式で提出する。… 全文
第13条 同盟の総会
(1)(a) 同盟は,この条から第17条までの規定に拘束される同盟国で構成する総会を有する。
(b) 各同盟国の政府は,1人の代表によつて代表されるものとし,代表は,代表代理,顧問及び専門家の補佐を受けることができる。
(c) 各代表団の費用は,その代表団を任命した政府が負担する。
(2)(a) 総会は次のことを行う。
(i) 同盟の維持及び発展並びにこの条約の実施に関するすべての問題を取り扱うこと
(ii) 世界知的所有権機関(以下「機関」という。)を設立する条約に規定する知的所有権国際事務局(以下「国際事務局」という。)に対し,改正会議の準備に関する指示を与えること。ただし,この条から第17条までの規定に拘束されない同盟国の意見を十分に考慮するものとする。
(iii) 機関の事務局長の同盟に関する報告及び活動を検討し及び承認し,並びに機関の事務局長に対し同盟の権限内の事項についてすべての必要な指示を与えること
(iv) 総会の執行委員会の構成国を選出すること
(v) 執行委員会の報告及び活動を検討し及び承認し,並びに執行委員会に対し指示を与えること
(vi) 同盟の事業計画を決定し及び2年予算を採択し,並びに決算を承認すること
(vii) 同盟の財政規則を採択すること
(viii) 同盟の目的を達成するために必要と認める専門家委員会及び作業部会を設置すること
(ix) 同盟の構成国でない国並びに政府間機関及び国際的な非政府機関で総会の会合にオブザーバーとして出席することを認められるものを決定すること
(x) この条から第17条までの規定の修正を採択すること
(xi) 同盟の目的を達成するため,他の適当な措置を取ること
(xii) その他この条約に基づく任務を遂行すること
(xiii) 機関を設立する条約によつて総会に与えられる権利(総会が受諾するものに限る。)を行使すること
(b) 総会は,機関が管理業務を行つている他の同盟にも利害関係のある事項… 全文
第16条 財政
(1)(a) 同盟は,予算を有する。
(b) 同盟の予算は,収入並びに同盟に固有の支出,諸同盟の共通経費の予算に対する同盟の分担金及び場合により機関の締約国会議の予算に対する拠出金から成る。
(c) 諸同盟の共通経費とは,同盟にのみでなく機関が管理業務を行つている1又は2以上の他の同盟にも帰すべき経費をいう。共通経費についての同盟の分担の割合は,共通経費が同盟にもたらす利益に比例する。
(2)同盟の予算は,機関が管理業務を行つている他の同盟の予算との調整の必要性を考慮した上で決定する。
(3)同盟の予算は,次のものを財源とする。
(i) 同盟国の分担金
(ii) 国際事務局が同盟の名において提供する役務について支払われる料金
(iii) 同盟に関する国際事務局の刊行物の販売代金及びこれらの刊行物に係る権利の使用料
(iv) 贈与,遺贈及び補助金
(v) 賃貸料,利子その他の雑収入
(4)(a) 各同盟国は,予算に対する自国の分担額の決定上,次のいずれかの等級に属するものとし,次に定める単位数に基づいて年次分担金を支払う。
等級I ………… 25
等級II ………… 20
等級III ………… 15
等級IV ………… 10
等級V ………… 5
等級VI ………… 3
等級VII ………… 1
(b) 各国は,既に指定している場合を除くほか,批准書又は加入書を寄託する際に,自国が属することを欲する等級を指定する。いずれの国も,その等級を変更することができる。一層低い等級を選択する国は,その旨を総会に対しその通常会期において表明しなければならない。その変更は,その会期の年の翌年の初めに効力を生ずる。
(c) 各同盟国の年次分担金の額は,その額とすべての同盟国の同盟の予算への年次分担金の総額との比率が,その国の属する等級の単位数とすべての同盟国の単位数の総数との比率に等しくなるような額とする。
(d) 分担金は,毎年1月1日に支払の義務が生ずる。
(e) 分担金の支払が延滞している同盟国は,その未払いの額が当該年… 全文
第6条 商標の登録の条件,各国の商標保護の独立
(1)商標の登録出願及び登録の条件は,各同盟国において国内法令で定める。
(2)もつとも,同盟国の国民がいずれかの同盟国において登録出願をした商標については,本国において登録出願,登録又は存続期間の更新がされていないことを理由として登録が拒絶され又は無効とされることはない。
(3)いずれかの同盟国において正規に登録された商標は,他の同盟国(本国を含む。)において登録された商標から独立したものとする。… 全文
第6条の3 国の紋章等の保護
(1)(a) 同盟国は,同盟国の国の紋章,旗章その他の記章,同盟国が採用する監督用及び証明用の公の記号及び印章並びに紋章学上それらの模倣と認められるものの商標又はその構成部分としての登録を拒絶し又は無効とし,また,権限のある官庁の許可を受けずにこれらを商標又はその構成部分として使用することを適当な方法によつて禁止する。
(b) (a)の規定は,1又は2以上の同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章,旗章その他の記章,略称及び名称についても,同様に適用する。ただし,既に保護を保障するための現行の国際協定の対象となつている紋章,旗章その他の記章,略称及び名称については,この限りでない。
(c) いずれの同盟国も,この条約がその同盟国において効力を生ずる前に善意で取得した権利の所有者の利益を害して(b)の規定を適用することを要しない。(a)に規定する使用又は登録が,当該国際機関と当該紋章,旗章,記章,略称若しくは名称との間に関係があると公衆に暗示するようなものでない場合又は当該使用者と当該国際機関との間に関係があると公衆に誤つて信じさせるようなものと認められない場合には,同盟国は,(b)の規定を適用することを要しない。
(2)監督用及び証明用の公の記号及び印章の禁止に関する規定は,当該記号又は印章を含む商標が当該記号又は印章の用いられている商品と同一又は類似の商品について使用されるものである場合に限り,適用する。
(3)(a) (1)及び(2)の規定を適用するため,同盟国は,国の記章並びに監督用及び証明用の公の記号及び印章であつて各国が絶対的に又は一定の限度までこの条の規定に基づく保護の下に置くことを現に求めており又は将来求めることがあるものの一覧表並びにこの一覧表に加えられるその後のすべての変更を,国際事務局を通じて,相互に通知することに同意する。各同盟国は,通知された一覧表を適宜公衆の利用に供する。… 全文
第4条の2 各国の特許の独立
(1)同盟国の国民が各同盟国において出願した特許は,他の国(同盟国であるか否かを問わない。)において同一の発明について取得した特許から独立したものとする。
(2)(1)の規定は,絶対的な意味に,特に,優先期間中に出願された特許が,無効又は消滅の理由についても,また,通常の存続期間についても,独立のものであるという意味に解釈しなければならない。
(3)(1)の規定は,その効力の発生の際に存するすべての特許について適用する。
(4)(1)の規定は,新たに加入する国がある場合には,その加入の際に加入国又は他の国に存する特許についても,同様に適用する。
(5)優先権の利益によつて取得された特許については,各同盟国において,優先権の利益なしに特許出願がされ又は特許が与えられた場合に認められる存続期間と同一の存続期間が認められる。… 全文